黄金の灯で富を呼ぶ──インドのディヤ・リチュアル
ラクシュミ女神に捧げる光の祈り
インドでは、光は富と繁栄の象徴です。
暗闇を照らすことは、心の迷いを祓い、運を開く行いとされてきました。
その中でも最も有名なのが、ディヤ(Diya)と呼ばれる小さな油灯を使う儀式です。
特に光の祭典「ディワリ(Diwali)」では、
家庭の前や窓辺に灯をともして、富の女神ラクシュミを迎えます。
この光の祈りは、物質的な豊かさだけでなく、
心の富を呼ぶおまじないとして受け継がれています。
起源と背景
ディヤ・リチュアルは古代インドのヴェーダ時代にまで遡ります。
当時、人々は火を神聖視し、火を通して神々とつながると考えました。
インド神話では、光は「生命」「知恵」「繁栄」を意味します。
特にラクシュミ(Lakshmi)女神は、
富・美・調和を司る存在として崇拝されており、
ディワリの夜には彼女を家に招くため、
家々で油灯をともし、床を清め、黄金色の花々で飾ります。
この儀式は、「光=善」「闇=無知・停滞」を超えるための祈りでもあります。
現代風アレンジ:黄金の灯リチュアル
現代では、宗教儀式としてではなく、
「運を整える瞑想の時間」として取り入れることができます。
🔹準備するもの
・キャンドルまたは小さなオイルランプ(黄色や金色の器が理想)
・マリーゴールドや黄色の花びら
・感謝の言葉をしたためる紙
🔹やり方
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静かな場所に灯をともし、花びらを周りに並べます。
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紙に「いま感謝していること」を3つ書きましょう。
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ゆっくりと灯を見つめながら、深呼吸を三回。
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心の中で「ラクシュミの光が、私の道を照らします」と唱えます。
この灯は、豊かさの種を思い出すための象徴です。
燃える火を見つめることで、内なる不安が静まり、
自然と感謝と希望が湧いてきます。
象徴と意味
光は「善き行い」「努力」「清らかさ」の象徴であり、
火の色は黄金(ゴールド)に通じ、金運や成功を表します。
また、灯をともす行為は「自分の心を再び照らす」動作でもあります。
インドでは、灯の炎が揺れる様子を神の祝福のサインと見なし、
小さな炎に手を合わせることで運を呼び込むと信じられています。
実践の心得
灯をともす時間は朝でも夜でも構いませんが、
新月・満月、あるいは週のはじまり(月曜)に行うとより効果的です。
終えたあと、灯が消える前に感謝の言葉を一度口にすると、
その想いが自分の潜在意識に届きやすくなります。

豊かさとは、持つことではなく、照らすことから始まります。
あなたへ
黄金の灯のおまじないは、
富を呼ぶよりも、「自分の光を思い出すための祈り」です。

光を絶やさぬ人のもとに、豊かさは自然と集まっていきます。